あなたの“だるさ”は?
気持ちが落ち込んでいるとき、体調が悪いとき、めんどくさいなぁと思うとき。人はよく「だるい」という言葉を使います。特に大人の方が「だるい」と表現することが多いかもしれません。ここ数年、子どもは体や心のおもさを「きもちわるい」と表現することが多いように感じます。
さて、この「だるさ」や「きもちわるさ」について、つい「どのくらい?」と聞いてはいないでしょうか?当然私もつい「どのくらい?」と、声を掛けてしまいます。実際どのくらいかを聞かれる側になったとき、あなたはどのように感じ・どのように答えますか?
例えば本当に何となくだるいのだけれど、熱があるわけでもなく何も食べられないという時。何も予定が無く休める日なら「ちょっと横になりたいくらい」と答えられるかもしれません。
では、仕事の日や約束事のある日はどうでしょうか?「ちょっとだるいんだ。」と打ち明けて、「どのくらい?」と聞かれたら…。「いや。大丈夫です。」と答えてしまう方も多いのではないでしょうか。このとき、本当に大丈夫な人は少なく、“我慢できるから”大丈夫という意味を含むことが多いものです。
私の経験では、学校で具合の悪そうな子に「どうしたい?」と聞くと、多くの子達が「分からない。」と答えます。「気持ち悪いのは分かるのに、どうしたいかは分からないの?」と聞くと「怒られたくないから。」と答える子もとても多いです。“怒られそうな理由”はそれぞれですが、自分の状況を詳しく話し、不安に思っていることを話すことで治る“だるさ”は多いものです。逆をいえば、吐き出しても治らないものが病気の症状と言えるかもしれません。
疲れやストレス、年齢による体調の変化など。気分に影響わ与えるものはたくさんあります。
熱が出たり、痛みがあれば仕事を休む決心もつくものですが…。だるさや気分の重さで仕事を休むのに勇気が必要な方も多くいます。一日くらいはそれでものりきれるかもしれません。また、出勤してみたら元気になることもあるでしょう。ですが朝の辛さが何日も続くような場合には、発熱や痛みと同じように心の〝症状″ととらえ、休養や受診を考えてほしいと思います。
執筆 株式会社FOKUA 産業カウンセラー 武浩美